2001.4.11

Winning Post 5について その1

◆「枯れ木も山の賑わい」

 競走馬育成ゲームというジャンルがある。このジャンルの草分けとなったのはファミコンでデビューした「ダービー・スタリオン」(以下ダビスタ)である。ダビスタが発売されたとき、私は競馬というものにとりたてて興味があったわけではない。単純にオスとメスの馬を配合して子馬を生産しレースに出す、というゲームシステムそのものが面白そうに感じたのが購入理由であった。
 
 ダビスタはヒットし他のゲームメーカーからも競走馬育成ゲームが作られるようになっていった。私が2000年12月に購入したコーエーの「Winning Post 5」(以下WP5)もそのような競走馬育成ゲームのひとつである。
 大まかに言って、ダビスタはプレイヤーが生産者、馬主、調教師の役割を果たすのだが、WP5は生産者と馬主の役割を果たすことになる。調教師の役割がない分、他の馬主や調教師、騎手を始めとした様々なキャラクターとの付き合いといった要素が入ってくる。私にとってはどちらも面白いゲームである。
 
 私はWinning Postシリーズは第一作をスーパーファミコンでプレイしたことがあるのだが、そのときはプレイ開始時にもらった馬が国内外のG1を簡単に取ってしまうほど強かったのでWinning Postシリーズには簡単なイメージが強かった。
 が、今回のWP5はなかなかしんどかった。どんなによい種牡馬をつけても繁殖牝馬のポテンシャルが低いせいか一向に走る馬ができない。下手をすれば種付け代も回収できないぐらいだ。
 
 走る馬を生産するには、よい繁殖牝馬と牧場施設の充実が必須になってくるが、それにはどちらも金がかかる。今の経済状態ではそれらは夢のまた夢である。馬券で儲けるという手もあるが、可能性は低いし額も大した額にはならない。
 ゲーム開始後7、8年経っても(もちろんゲーム内の時間)状況は変わらない。
 結構辛くなってくる。このまま突然変異的に強い馬が生まれるのを期待するのは現実的ではない。何かよい手はないものか。
 そんな思いに焦れながらも色々な配合を試しつづける。
 “サンデーサイレンスをつけてもちっとも走る馬が生まれん。これなら売った方がマシだ...。...!!売る?そうか売ろう!!”ゲームの中では生産した馬は自分の馬として走らせるだけでなくセリに出して売ることができるのだ。人気の種牡馬の仔馬なら結構な値がつく。今まで生産した馬は自分の所有にしていたが、方針転換で売ることにする。もちろんなるべく人気の種牡馬をつける。しかし、競走馬を所有しないと、他の馬主や調教師、騎手たちとの有効度が上がらないのでセリで安い馬を購入する。この方針で確実に利益をあげることができ、牧場の経済状態がよくなってきた。
 基本施設を建て替え、牧草をよいものに入れ替え、医療施設を建設するなど、すこしずつ牧場の施設を充実させていく。
 繁殖牝馬もよいものを購入したいところだが、高い金を払ってよい馬が生まれなかったら大きな痛手である。ひところより大分余裕ができてきたとはいえ、リスクは少ない方がよい。ということで、よく走っていた牝馬の生んだ仔馬(牝)をセリで購入することにする。値段はやはりそれなりに高くなるが、これなら競走馬としての活躍も期待でき、引退後も繁殖入りさせることができる。
 そんな感じで管理する馬の質も段々向上していった。
 
 初めて自分の生産馬が重賞を勝ったときはカナリ嬉しかった。重賞を勝った牝馬が繁殖入りし仔を生むと、その仔には特別な思い入れができる。その仔がGIに勝ったりするとまた格別である。
 思えばこのあたりが最も熱中してWP5をプレイしていた時期だろう。その後は順調に生産馬のレベルが上がっていき、いまや大抵の馬が重賞級の能力を備えている。牧場の設備も全て拡張した。だが、ドキドキ感がなくなりプレイに惰性が混じってくる
 ここでちょっとプレイスタイルを変えることにした。今までは「強い馬」を生産することを目的にしていたが、今では「零細血統の救済と繁栄」を心がけている。零細血統は当然ながら種牡馬の選択肢がほとんどない。しかも能力が大抵低いので、牝馬の能力が高くてもなかなか強い仔が生まれない。仮に強い仔が生まれたとしても、牡馬でないと意味がない。血統の反映はその血統の種牡馬の数で決まってくるからだ。
 そんなんで、零細血統をつけて牡馬が生まれ、その馬が重賞を勝ったりしてくれると、「あのころ」の嬉しさを思い出すのである。
 
 「Winning Post5について」はこの一回のみである。結局何を書きたかったのか自分でもよくわからないようなものになってしまったが、「枯れ木も山の賑わい」である。この文章が私のサイトの枯れ木になってくれればまあよい。

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