au by KDDI版 Flash Lite 1.1−W21SAのloadVariables
◆loadVariablesは“完全にサポート”ではない?
EZWeb版Flash Lite 1.1でもloadVariablesがサポートされて、外部ファイルを読み込むことができるようになりました。
「Macromedia
Flash Lite 1.1 Content Development Kit (CDK) for EZweb」に付属の「au
用 Macromedia Flash Lite オーサリングガイドライン」の65ページにもloadVariablesおよびloadVariablesNumは“完全にサポート”と明記されています。
しかしながら、どうやらW21SAに関しては“完全にサポート”とは言えないようです。
私個人としては、Flash Lite 1.0との比較でFlash Lite 1.1の最大のウリと考えているのは、loadMovie系、loadVariables系のサポートです。これらの機能は言うまでも無くFlashコンテンツの幅を大きく広げる機能です。
loadMovieについては問題なく機能しました。loadVariablesも静的なテキストファイルの読み込みは問題ありませんでした。しかし、loadVariablesでCGIからの戻り値を受け取ることができなかったのです。
おこなったCGIの読み込みテストは「これ以上ない」というぐらいシンプルなものでした。CGIはPerlベースで固定値をひとつ返すだけのものでPCのブラウザ、W21SAのブラウザでも正常に値を返していました。
Flash側もloadVariablesを実行して変数名を設定したダイナミックテキストに取得した値を表示するというシンプルなものです。
PCでそのswfファイルの動作確認すると問題なく動作し、CGIが返した値はダイナミックテキストに表示されます。しかしW21SAで確認するとダイナミックテキストには何も表示されません。パブリッシュ形式はもちろんFlash
Lite 1.1用です。
ちなみにPHPからも戻り値を取得することはできませんでした。やはりPCからアクセスすると問題なく取得できていました。
私はこれは「au版Flash Lite 1.1の制限」なのだと思っていたのですが、どうやら同時期に発売された、W21SやW21KではCGIからの戻り値を普通に取得できる、ということが判明しました。
他機種で問題なく動作したデータにW21SAでアクセスさせていただきましたが、やはりW21SAでは取得できませんでした。
これは私にはちょっとした驚きでした(!!!)。
最初に思ったのは機種依存かということですが、デバイスフォントやサウンド周り、アニメーションの再生速度のようなところならともかく、loadVariablesの動作の「一部」に機種依存がある、ということがどうも腑に落ちませんでした。
私の携帯は、日付が変わるときにトイレで花札ゲームで遊んでいるとハングアップして電池パックを抜かないと電源も落とせなくなる、という謎の症状があったので、あるいは個体の問題かもしれないとも考えました(^^;)。
しかし後日他の方が使っているW21SAでも私のと同じくCGIからデータを取得できなかったという話しを聞き、私の中では機種依存説が濃厚になっています。
私は今現在でもW21SAでCGIからの戻り値の取得を実現する方法を知りませんが、もしその方法があったとしてもW21SAでloadVariablesが完全にサポートされているとは言えないと考えています。
◆各社サポートへの問い合わせとその結果
このような状況に遭遇したことで思ったのは、この件に関する確実な情報を入手したい、ということです。
これがW21SAのみの「不具合」であるのか、あるいはW21SAは同時期に発売された3機種で最後に発売された機種であることから、何かの事情による「仕様変更」なのか(まず無いでしょうけど)、メーカーの判断による「意図的なもの」なのか、それ以外の「何か」なのか。また、W21SAでCGIから戻り値を取得する方法があるのかないのか、あるならどのような方法なのか。このような点について、正確な情報が得られなければコンテンツ制作者の対応は困難なものになります。
ということで、Flash Liteの開発元のマクロメディアさんにお問い合わせフォームから質問を送ってみました。返答はすぐに返ってきましたが「コンテンツ制作に関する内容は通信事業者にお問い合わせください」という意味の回答でした。
その後、当該機種のメーカーの三洋電機さんと通信事業者のKDDIさんにもお問い合わせフォームから質問を送ってみました。
三洋電機さんからは回答なし(※.11月30日に私の質問に対する質問という形で回答があり、その後12月6日に再度回答がありました。これについては後述)。KDDIさんはすぐに回答がありましたが、「コンテンツ制作に関する情報は「Flashコンテンツを作ろう」ページを参照してください」とのことでした。
現在のところそれ以上は追求していませんが、今回の件については漠然とW21SAの固有の問題かな〜と推測(なんせ公式な情報がないので)しています。
しかしこれが機種特有の問題であろうとなかろうと、“完全にサポート”と謳っている機能が完全にサポートされていない事実があるのに、それに対する公式な情報の発表がないということは制作者にとっては大きな不安があるのではないでしょうか。
また、ユーザーの立場としてもFlash Lite 1.1搭載機種を購入したのに、自分の機種では利用できない(他の機種では利用できるのに)Flash
Liteコンテンツが出てくる可能性も否定できず不満がつのります。
...ということで、現在のところ公式な情報もなく推測ばかりです。はっきりしているのは、W21SAの中には他の機種とloadVariablesの動作が一部異なる個体が存在する、ということです。
もしかしたらW21SAでも初期ロットだけの問題で後続のロットでは解消されている、という可能性も無いわけではありません。CGIやPHPで戻り値を取得できる可能性が完全に否定されたわけでもなく、あるいは他のサーバープログラムでは全く問題ないのかもしれません。
◆その後(2004.12.7追加)
その後三洋電機さんから有効な回答をいただきましたが、内容の公開の許可をいただけませんでした。が、結論としてはCGIからもPHPからも戻り値を取得することができました。
三洋電機さんやKDDIのサイトで正式に情報が公開されればよいのですが、もし同じ問題で悩んでいらっしゃる方がいらっしゃったら下記フッターのメールアドレスに個人的にお問い合わせください。
未確認情報(2005.4.18追加)
お問い合わせいただいた方から、W21SAの後継機種W31SAでも同様の問題があったとお聞きしました。私自身は未確認ですが、W21SAと同様の仕様である可能性があります。
その方はW21SAと同じ対処方で解決されたそうです。
三洋電機さんの情報公開が望まれます。
※.お詫びとお願い(2005.12.14追加)
お問い合わせのメールをお送りいただく場合以下の事項を添えてください。
・お名前(本名、フルネーム)
・所属(会社名、所属団体名、フリーランスなど)
また、フリーメール、又はそれに準ずるアドレスからの送信はお控えください。
それらのアドレスからのお問い合わせには返信できない場合があります。
既にそれらのアドレスからお問い合わせ下さった方で返信が届かない方々がいらっしゃるかと思います。この場でお詫び申しあげます。
◆環境
CPU:Pentium M 1.70GHz
RAM:1.0GB
OS:WindowsXP Pro Sp1
Application:Flash MX Professional 2004(ver7.2)
Mobile Phone:W21SA(au by KDDI)
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