2001.2.27

第一部〜工事編〜 その4

◆チェック

 引渡し期日になり、どう見ても仮工事としか見えない状態を完成と言われて私は怒鳴ったのだった。
 で、工事部分をジジイと一緒に見ながら了承できない部分を指摘していった。
 ひどい部分というのは手を入れたところ全般であり、ひどい「部分」を指摘していくと却って焦点がボケる。つまり、ジジイには今回の工事を遂行する能力がないのである。板を切断するにしても、電ノコなどで加工したものを持ってくるのでなく工事現場に板を持ってきてノコギリで切断していたのだ。いや、そのこと自体はジジイの無能を決定的に証明するものではないかもしれないが、そのノコギリの技術がまずひどい。
 仮に長さ2m×幅1m×厚さ3cmの板があったとして、これを長さ1mのところで切断し長さ1m×幅1mの板2枚に切断したとする。ジジイはノコギリが垂直に入らないらしくまず切断面が垂直にならない。また、幅の1mを切断する際にもなぜかカナリ誤差が生じ、直角に切断できないので本来正方形になるはずの2枚の板は正方形にはならない。さらにこのような板で壁や枠を作るので、壁は垂直にたたず枠はゆがむのである。
 あえて、ひどい「部分」をピックアップすると以下のようなものになる。

○壁の開口部:その3で書いたドリルで余分な穴を開けられたところだ。
 まず、そのドリルの穴 [写真1]
 枠が白木のままで塗装もしていない点 [写真2] [写真3]
 枠と壁の間の隙間の埋め方の汚さ [写真4] [写真5] [写真6]
 枠の組み合わせの粗雑さ [写真7]
 枠の材質(写真)  幅木がなくなっている点 [写真8]

○クローゼット:やはりその3で触れた部分だ
 バーがまだ10cm以上高さがずれている点
 高さがずれていたバーの高さをそろえるために仕切り壁の高さを足したのだが、壁の幅がそこから狭くなっているところ [写真9]
 バーの切断加工のひどさと仕切り壁とバーの接続加工のひどさ [写真10]
 仕切り壁が正しい寸法でなくクローゼットのドアの開閉に干渉する点 [写真11]

○階段:今回の工事で三段だけの階段を作ったのだが...。爆笑である。
 階段正面 [写真12]
 二段目だけで、階段の左右の高さが1.5cmほど違っている点 [写真13]
 板を垂直にきれていないために、横板との間に隙間が開いている点 [写真14]

 これで大体30%ぐらいピックアップしたと思うのだが、ジジイと一緒に見ているときはその場で気付いた点だけを指摘していったので、上記の中にはそのときには指摘しきれていなかったものも含まれている。これらは後に書面にしてまとめ、ジジイに印鑑を押させて認めさせることになる。
 さて、ジジイにひどい点を指摘したときのジジイの対応というのがナカナカ味がある。
 例えば、クローゼットのバーが傾いているということを指摘したときは、「イヤ〜傾いているか?ちゃんと測ったんだけどなぁ。前に直したんだけどなぁ」などとノラリクラリして反省はおろか恐縮すらしていないようである。が、現に、以前改修したにもかかわらず10cm以上ズレており一目瞭然なのである。私はジジイにもわかるように...いや、わかっていてスっとぼけようとしていることは明白なので「言い逃れできないように」メジャーを持ってきてそのズレを見せつけた。ジジイはとりあえず「何?直せばいいんでしょ」などと言い、修正作業をした。...それでもなお、3cmほどズレていたのだが...。これ以上この場でやり直させても建物が傷むだけだと考え、これ以上のこの場での追求はやめておいた。

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