2001.3.4

第二部〜訴訟編〜 その3

◆裁判決心

 さて、内容証明郵便である。
 内容証明郵便というのはある内容の手紙を出すにあたって、確かにその内容の手紙を出し相手がそれを受け取ったこと、を国が証人となってくれるものである。特にそこに書かれていることを守らせる拘束力などは全くないのだが、内容証明郵便というのは裁判での証拠書類としてよく使われるものなので、裁判を前提としている、という連想が働き相手にプレッシャーを与えられる場合がある。
 内容証明郵便は、3通同じ内容のものを作成し、1通が相手に送達され、1通は郵便局が保管し、1通は本人が持っていることになる。文房具屋などで内容証明郵便セットみたいなのが売っているのでそれを使うのが便利である。書きあがったら郵便局に持っていくのだが、本局かそれに準ずる大きい局じゃないと扱っていない場合が多い。申し込むときは配達証明をつけてもらうのが普通であろう。これは、相手に届いたらその証明書を郵便局が送ってくれるというものである。

 私の場合は、内容証明郵便が到着して5日以内に65万円を支払うことを申し入れる内容で作成した。ジジイに電話を切られた翌日の10月11日(水)である。こういうときの私の行動はナゼか迅速だ。
 今日電話して進展がなければ送付しようと決める。
 午前中から昼にかけて何度か電話するがやはりでない。
 是非もなし。郵便局に行くために外にでたのだが、途中もう一度だけPHSから電話をかけてみた。
  そしたらつながったのである。が、出たのはジジイの奥さんであった。この奥さんがまた大したワカランチンであった。本当か嘘かわからんが、ジジイは病院に行っていて入院するかもしれないとのこと。以下、会話ダイジェスト。
 私:「...というような状況で、お宅のご主人の工事は全部やりなおさないとしょうがないんですよ。」
 奥:「そんなヒドイ工事うちの人がするわけないよ。今までやってきてそんなこと言われたことないんだからね。」
 私:「今まではどうだか知りませんが、今回はひどいんですよ。見に来てもらえばわかりますから。」
 奥:「わたしゃ、ほとんど目が見えないんだから見にいけないよ。障害者手帳だってもっているんだから!」
 私:「じゃあ、別の誰か代わりの人を立てて見によこしてください。それから話しましょうよ。」
 奥:「そんな人よこさないよッ!
 私:「(なんで)????」
 奥:「そんなのあんたが勝手に文句言っているだけなんだから見る必要ないよっ!!」
 オバサン...頼む...顔の縦線が増えていく...。
 私:「勝手じゃないんですよ。お宅のご主人は工事のズサンさを認めて書類に印鑑も押しているんですから。」
 奥:「そんな書類だってアンタが勝手につくったんだからウチはしらないよ!!」
 私:「書類はこっちが作ったものだが、ご主人はそれに目を通して印鑑おしてンですよ!(←キレた)印鑑もお宅に忍び込んで勝手に押したとでもいうンですか!ふざけンじゃありませんよ!!」
 奥:「..あぁ?じゃあどうして欲しいの?いってごらんよ?」
 ...疲れたので会話モードは一旦やめにする。その後私は書類の内容を説明し、65万円を支払うよう伝える。奥さんは怒り狂い65万円を支払うどころか、「必ず残金は支払ってもらうからね!」などと言出だす始末である。実は今まで登場しなかったのだが、工事はジジイの他にジジイがやとった腕の悪い職人がもう一人いたのだ。その職人への支払いも待ってもらっているのだという。私は、「それはジジイと職人の間の契約の問題で私は知ったことではない。知ったことではないが、あえて言うならあのヒドイ工事でジジイがその職人にOKを出したのならばそれは支払うべきだ。」という見解を示してやる。さて、また会話モード。
 奥:「大体書類を作ってハンコ押させるなんてやり方が汚いよ(筆者注:別に汚くはない)。最初から踏み倒すつもりで難癖つけてるんだろ!あんた異常だよ。」
 私:「だから難癖かどうかは工事現場をいっしょに見ればわかるって何度も言ってるでしょう!」
 奥:「やり直したところを見てもしょうがないよ。」(筆者注:オバサン突如ボケる)
 私:「いや、まだやり直していませんって。」
 奥:「やり直していないのならうちが業者回してやりなおすから手をつけないでくださいよ!!」
 私:「いや、ご主人の工事は何ひとつ満足にできていないんですよ。ですから、お宅に対する信用は完全に無くなっているので、お宅が回した業者さんにやってもらう気はありません。それに、こちらで別の業者を頼むというのはご主人にハンコついてもらってもう決まったことなので今さらそんな話は通りませんよ。」
 奥:「そんなのそっちが勝手に作った書類なんだから知ったことじゃないよ。ともかく、やり直し工事はこっちでやるからそちらでは手をいれないでくださいよ。手を入れたらうちはもう知りませんからね!!一筆書いてくださいよ!!
 書くワケはない。...オバサン。書類作るのは「汚い」のではないのか?しかも既にジジイが一筆(印鑑)いれているのだぞ。
 私:「そんな勝手な話は通りませんよ。こっちは新しい見積も見せるし、業者にも会わせるって言っているのにそっちが話しあいに応じないんじゃないですか。異常なのはそちらでしょう。」
 奥:「そんなのそっちの業者がグルになれば話を合わせられるじゃないか。信用できないよ!」
 林:「印鑑を押した書類も無視するし、現場を見る気もないし、見積も見ない、業者にも会わないって言うんじゃ、こちらは法的手段を考えるしかありませんよ。」
 奥:「こっちだって出るとこでるよ。弁護士だっているんだから!!」
 私:「わかりました、じゃあそうしましょう。」

 ...長かった...。長い割になんとバカなやりとりなのか。が、この電話で裁判に向けての決意が固まったのである。

Previous << 3 >> Next


このサイトへのご意見・ご感想は[takuya@haphands.com]までお願いします!