2001.3.17

第二部〜訴訟編〜 その6

◆新宿スカイビル有料法律相談

 新宿法律相談で10月20日(金)分の唯一の残っていた時間帯である午後5時から5時半に予約をいれる。この日は私は仕事の都合で御茶ノ水に出かけており午後5時に新宿に行けるか微妙である。遅れてはまずいので、家内が資料など相談に必要なものを持参して行ってもらい、私も仕事が終わり次第駆けつけることにする。

 仕事が終わり中央線で新宿に向かう。新宿に着き、南口の改札を出て住所を頼りに相談場所を探す。場所はネットで調べて簡単な地図を見ていたので大丈夫だ。駅からは一本道で右側にその建物はあるはずである。
 ...が私は迷ってしまった。「新宿スカイビル」というのがその建物なのだが、私は「スカイビル」という名前から空にそびえる背の高いビルをイメージしていた。これが失敗である。
 私は大きな建物を中心にビルの名前を見つつ早歩きをしていたのだが、いくら歩いても見つからない。時間は迫るが「新宿スカイビル」は現れない。家内が先に到着しているはずなので心配はないが...イヤ、これだけ見つけにくい建物なのだ、家内も見つけられたか一抹の不安が残る。PHSから家内の携帯に連絡を入れてみる。
 家内は無事に到着し、手続きを終え待合室で待っているところであった。家内に建物の場所を聞くと、「最初の信号を渡ってすぐの建物だよ」というこたえ。最初の信号を渡ってすぐのところには空にそびえる背の高いビルはなかったはずだ。
 私:「新宿スカイビルってどんな建物?高層ビルじゃないの?」
 家内:「全然ちがうよ。ちょっと目立たない普通の建物だよ。最初の信号渡ったところだからすぐわかるよ。」
 私:「...ソウデスカ...。」
 私はひとつどころか数限りなく信号を渡ってきてしまった。引き返すのが大変だ。
 結局どうにか間に合ったものの、息は切れるし汗はかくし大変消耗した。この辺のくだり全く訴訟とは関係ない。

 さて、肝心の法律相談だが、有料だけあって有意義であった。例によって、経緯と聞きたいことをまとめた書類に目を通してもらい、工事現場の写真入資料を見てもらった上で弁護士さんに意見を聞く。弁護士さんの見解としては以下のようなものであった。
 素人目に見ても工事はあからさまにずさんな上未完成なので契約解除はできるだろうし、訴訟を起こしてもきっと勝てるであろう。しかし、裁判で支払命令がでても、資産の名義を変更したりして支払うべき自分名義の財産を無くせば「ない袖は振れない」状態になるので取り立てが困難になる。土地・建物・銀行口座などを仮差押えをして、財産を少しでも確保してから訴訟に臨むのがよい。
 おお、これでこそ相談した甲斐があるというものだ。なるほど、「仮差押え」か。面倒くさそうだが興味はある。貴重な体験かもしれない。

 余談であるがこの日の2日後が結婚記念日なので、子供たちは私の両親に見ていてもらい久しぶりに家内と外食をする。入った店はちょっとだけ豪華そうな和食の店で二人とも天婦羅のセットみたいなのを頼むことにする。
 最初に湯葉と茄子をダシで煮たお通しがでてきたのだが、これを食べた瞬間、家内と目が合いニヤリと笑った。おいしかったのではない。かといってまずいわけでもない。
 とにかく「なんでもない」味なのだ。あまりのなんでもなさに笑ってしまう。次にでてきたお刺身は普通においしかったが、特筆するようなものでもない。その後でてきたメインの天婦羅はコロモが油っぽく全然カラッとしていない。中身はおいしいのだが天婦羅にすることでかえって味を損なっている気がする。最後のデザートだけはかなりおいしかったが、トータルで見ると明らかに「ハズレ」であろう。
 が、家内と一緒なのでこんなことでも話のネタになる。子供が生まれてから2人で食事することは滅多になかったので、食事の内容よりもそのこと自体に意義があるのだ。
 これも、改築関連のトラブルの副産物と考えれば悪いことばかりではない。...と無理やり思い込んでおこう。

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