2001.4.22

第二部〜訴訟編〜 その14

◆新世紀そして...

 やっぱりだ...。年も世紀も押し迫った12月25、26日ごろ(日付失念)、訴訟の担当書記官から連絡があった。やはり、訴状がジジイに届かないということだ。ただ、保全の方とは異なり休日送達の申請はせず、いきなり付郵便(書留)の申請をすることになる。また、第一回口頭弁論が翌年の1月19日なのだが、これも延期するべきだということで期日の延期申請も出して欲しいとのことだ。全く手がかかる。
 とりあえず、期日の延期申請はFAXで送信すればOKとのことなのでまあ簡単だ。付郵便(書留)の申請の方はちと面倒だ。前回書いたように、付郵便での送達というのは裁判所から発送した時点で送達されたものと認められるというものだ。そういう強い性質のものなので、相手が送達先住所に現在も居住しているという根拠が必要になる。そのための簡単な報告書を作成し、さらに相手の住民票も取ったりする。報告書には電気メータが回っているとか、郵便や新聞が溜まっていないとか、夕刻になると電灯の明かりがともることとかを書いた。また、ジジイの住民票は裁判で使うという理由で訴状を見せることでとることができた。書類の準備が整ったのはよいが、そのときには既にお役所は仕事納めの日を過ぎており、提出は年を越してからということになる。
 
 さて、年と共に世紀も改まった。裁判所でも改まったものがある。書類の形式だ。今まではB5あるいはB4二つ折りの縦書きが基本フォーマットだったのだが、今年からA4横書きが基本になる。一般のビジネスサイズになり何かとやりやすくなりそうだ。
 さて、年も明けたので今まで保留にしていたいくつかの手続きをやってしまおう。仮差押えの休日送達の申請と、訴状の付郵便(書留)の申請、それから訴状の内容の変更である。訴状の内容の変更は以前書いた、足場の撤去の際にフェンスを壊された分の損害賠償額の加算である。簡裁で受付相談センターで聞いたところ、よくわからないので担当書記官に聞いてくれとのことだった。以前書記官に電話で尋ねたときは受付相談センターに聞くよう言われたんだよなぁ...。
 担当書記官のところに行って事情を説明した。結局、訴状を作り直して印紙の差額分(註:訴訟の係争額により必要な印紙代が変わるのだ)を支払うということでよさそうだ。
 最終的な請求額は、工事請負代金の内金45万円の返還、工事個所の損害賠償額18万円、フェンスの修理費用14万5千円、慰謝料12万円で計89万5千円になった。以前は慰謝料を15万円にしていたのだが、簡易裁判の範囲である90万円以下に抑えるため、不本意ながら12万円にディスカウントしたのである。もっとも今回のようなケースでは慰謝料は棄却される公算が強いのでまあ大きな問題ではないかもしれない。
 
 第一回口頭弁論の日にちは2月2日(金)になり、当面その日まではやることがない。仮差押えの方が案の定、休日送達でも届かなかったので1月下旬に付郵便の申請をしたぐらいだ。ちなみにこのときもジジイが居住していることを示す報告書と住民票を添えた。これで、ようやく仮差押えが完了した。
 
 さて、いよいよ第一回口頭弁論の期日が来た。なかなか訴訟の始まらなかった訴訟編だがついにそのときが来た。開始時間は午前11時からで場所は306号法廷である。この日は家内も一緒に裁判所に出向くことにした。滅多にない経験であることや、実際にどんなやり取りがあるのかなど直接聞いておきたいというのがその理由だ。もちろん家内は傍聴人席で聞いていることになる。
 さて、開始時間の20分ほど前の10時40分ごろ306号法廷についた。入り口には記名用紙があり原告の方に名前を書く。私の事件は11時からなので、それまで家内と一緒に傍聴人席で他の事件の進行を見ている。
 やはり、サラ金などの金融業関係の事件が多いようで、私たちが法廷に入ったときもサラ金側の弁護士と思われる人物が原告として裁判官とやりとりしていた。ちなみに被告はいなかったようである。弁護士と裁判官とのやりとりは一種異様で、さながら市場でのセリのようであり私にはサッパリわからなかった。
 少々心配になったのだが、その次の事件では一般人と思われるおばちゃんが出てきたのだが、裁判官は普通の言葉(?)で話していたので安心する。いよいよ11時になり私の番である。

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