2001.5.16

第三部〜回収編〜 その5

◆ジジイ自己破産?

 前回の続き。オバサンとの会話である。
私:「だったらこの電話の後104かけて調べてみればいいでしょう。」
オバサン:「そうですね。じゃあ、住所はどうやって調べたんです?」(註:詰問調)
 私もさすがに不愉快になってくる。一体なんであんたそんなにエラそうなんだ?別に教えてやっても構わないのだが、こんなエラそうなオバサンに疑問を解消させてスッキリさせてやる必要もない。
私:「教える必要はないので教えませんよ。」
オバサン:「そうですか。でも、ふ〜ん。わかるはずないのになあ...。どうしてなんだろ。」(註:独り言調)
 わかるはずない」だと?あんたら家族ぐるみでジジイをかくまったわけだな。
私:「債権の回収が終わったら教えてあげますよ。」
オバサン:「あ、いいです。別に。そういうの教えちゃう人がいるってわかっただけで勉強になりましたから。」
 どういう想像をしたのかわからんが、何を学んだのか。まずは家族ぐるみで社会常識を学びなさい。
オバサン:「で、結局話しはなんなんです?こっちは仕事もしているし、病院にもいかなきゃならないんでホント忙しいんですよ。結論を言ってください結論を。」
 ...あんた今まで電話番号や住所をどこで調べたか聞いていただろう。まったくもう。
私:「ですから、そういう判決がでているのでお支払いいただきたいわけですよ。」
オバサン:「ですからね、父は入院しているんですよ。」
私:「そういう事情なら、あなたが立て替えて支払って下さったって構わないですよ。」
オバサン:「私には支払い義務はありませんから。それにね、病院代とかかさんで大変なんですよ。私も働いて、売れる物は売ってやりくりしているんですから。」
私:「売れるものは売ってっておっしゃってますけど、工務店の建物とか処分されていないですよね。」
オバサン:「あれは私名義のものですからどうしようと勝手でしょ!」
私:「それは勝手です。が、処分していないということは、金銭的に困っていないということになりませんか?」
オバサン:「大体ね、あの建物だって資産価値なんて十数万なんですよ。それにね、私には支払い義務はないでしょ?」
私:「確かにあなたに支払い義務はありませんね。ですが、債務者ご本人が入院していて連絡が取れない以上、実子であるあなたに肩代わりをお願いすることだって道義的に問題はないですよ。」
オバサン:「それはそうですけどね、無いモノは無いンですよ。それにね、父は自己破産したんですよ。」
 “ゲッ!!” まさか破産とは。正直、動揺がある。破産というものに関する知識がないからだ。
私:「破産ですか。なにかそれを証明するものとかありますか?」(註:努めて冷静を装って)
オバサン:「破産の件は弁護士さんに頼んでやってもらっていますから、そっちに連絡取ってみて下さい。」
 弁護士か。電話の冒頭でも「弁護士に相談したが...」と言っていたが本当に雇っていたのか。まともな弁護士ならまともな話し合いができるかもしれないが、どうもそうは思えない。なぜなら、弁護士は私の債権のことを知っていたはずなのに、ジジイが転居したことや破産したことなどなんの連絡もよこさなかったからだ。むしろ、その辺の知恵は弁護士が授けたと見るのが妥当だろう。ともかく、その弁護士の連絡先を聞いておく。
オバサン:「あ、そうだ。父名義の土地が板橋にあるんで、それを差押えでもなんでもしてください。」
 “エッ!!!土地?ウッソくせぇ〜” というのが感想である。あったとしても担保がビシバシついているに違いない。
 オバサンとの話しが長いので、またキリの悪いところで終わることになってしまった。以下次回。

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