2001.5.16

第三部〜回収編〜 その6

◆オバサンとの電話ようやく終わる

 電話で、オバサンから、ジジイが自己破産したことと板橋にジジイ名義の土地がある、ということを聞いた。以下その続き。
 
オバサン:「その土地の住所FAXしますから、今後はこの番号に電話しないでください。私は支払い義務ないのに、誠意として土地をお教えするんですから。今から電話録音するんで、二度と電話しないことを宣言してください。」
私:「イヤ、電話は必要があれば今後もさせていただきます。土地だって、本当にあるのかわからないし、あったって回収の役に立つかわからないわけですから。まあ、ともかく今日はFAXいただけるというお話しを信用して、これで失礼します。」
 ジジイほど知能が低い訳ではなさそうだが、基本的に誠意は感じられない。ジジイが入院しているという点や、「板橋の土地」というのもどの程度信用できるものか。
 とりあえず、今後やることは、
 ・破産についての勉強
 ・板橋の土地の調査
 ・相手方弁護士への連絡
 ということになりそうだ。ただ、相手方弁護士への連絡は慎重にいこうと思う。相手が悪徳弁護士である公算も高いので、その前に「破産についての勉強」と「板橋の土地の調査」を行った上で、また有料法律相談に行ってくるとしよう。
 
 ここからは余談である。この日3月14日というのは長女の誕生日である。私はかねて長女と、誕生日にはデパートに行ってプレゼントを買ってあげる、という約束をしていたので、午後の早いうちに保育園に長女をお迎えにいきデパートに向かう。長女はクマのぬいぐるみを欲しがっていたので、おもちゃ売り場の一角にあるちょっといい感じのぬいぐるみがおいてあるコーナーを一緒に見る。
 よく見ると、そのコーナーは「ちょっと待ったぁ!」と口走りたくなる想定外の価格帯のモノばかりだ。私は長女に「他にも色々見てみよう。」などと持ちかけ巧みにその場を離れることにする。長女はキティちゃんやディズニーなどのキャラクタものが好きなので、そういったコーナーに連れて行く。このあたりでなにか気に入ったものがあれば御の字である。
 しばらく色々見た後、長女が「最初のトコがいい。」と言い私をドキドキさせる。想定外価格帯ぬいぐるみ売り場で長女はわずかな時間考えた後、ひとつのぬいぐるみを指して「これがいい。」と言う。
 織田信長が天正十年(1582年)に本能寺で明智光秀の謀反の知らせを聞いたときに、「是非もなし」と言葉を発したそうだが、私も心の中で同じ言葉をつぶやいた。
 結局、想定外価格帯ぬいぐるみを買うことになったのだが、その両隣りにあったぬいぐるみは長女が選んだものよりはるかに想定外だったので心中ヒヤリとした。
 しかし、ぬいぐるみの包みを店員から受け取った長女は嬉しくてしかたない風情だったので、まあよしとしておこう。
 しかし、想定外の出費ではあるので債権回収は是非とも成功させたい。などとムリヤリ余談を本編に関連付けてみる。
 
 デパートから帰宅すると、オバサンから板橋の土地について住所と簡単な地図がFAXで送られてきていた。本来ならFAXが届いた旨オバサンに連絡をいれようかというところなのだが、オバサンは私からの電話が嫌なようなので、物件の確認や相手方弁護士などに連絡を入れてから諸々まとめて連絡をいれることにしようと思う。

Previous << 6 >> Next


このサイトへのご意見・ご感想は[takuya@haphands.com]までお願いします!