2001.3.30

子供について その5

◆長女との生活

 今回も、前回に続いて次女と家内が入院中の長女との生活について書こうと思う。

 次女の入院中は、週末は日中家内と交代し、ときには一晩私が病院で次女に付き添いで泊まったりもしたが平日はやはり家内が病院にいる。
 次女の入院中に私と長女ふたりで風邪をひいたことがあった。それなりに疲れていたのだろう。このときのふたりの風邪の程度は、長女の方が軽く私の方がひどかった。長女は保育園を休ませることにし、その旨保育園に連絡をいれた。けれども、長女はハナは垂れるものの基本的には元気であり、誰かが相手になってやらないと退屈してしまう。通常なら当然私が相手をするべきなのだが、私の方の症状は結構シンドくて上体を起こしているだけでも辛かった。熱も高く、もしかしたらインフルエンザかもしれないと考え、長女にうつしてはいけないという判断から2階の私の母に長女の面倒を見てもらうことにした。
 
 私はしばらくひとりで横になっていたのだが、2階からのインターフォンが鳴ったので出てみた。すると、長女が私のところに来るといってきかないという。長女を受け取って、ふたりで軽く食事をとりディズニーのビデオを見たりした。その後、私は長女に、私の風邪が長女にうつってはいけないから2階に行っているよう頼んだ。長女は了承し、お気に入りのビデオを何本か持って2階に連れて行った。
 その後、ウトウトしていたら、私の母が大泣きしている長女を連れてきた。

母:「どうしてもパパのところがいいって言うのよ。」
 私は理解した。長女にとっては1番好きな「ママ」がいないだけで大変な寂しさ、心細さであるのだ。その上、「パパ」からも引き離されるのが耐えがたかったのだろう。しかも、「パパ」は遠くにいるわけではなくすぐ近くにいるのだ。
 私は長女にとって私の母よりも私の方が上位にランキングされていることにやや気をよくし、長女に申し訳ない気持ちにもなった。また、長女が変に我慢しすぎず泣き喚いてくれたことには、安堵とも言える気持ちをもった。わかりにくいかもしれないが、長女が過剰に自分の中にストレスを溜め込んでしまわなかったことに安心したのである。
 ふたりで一緒の布団に入り、ビデオを見たり本を読んだり眠ったりした。なんだか可愛かった。
 
 ある日曜日は、私は長女とふたりで買い物に出かけた。長女が保育園にいく洋服を私が選ぶようになって、意外にちゃんとしたものがないことがわかったので、何か着るものを買うためだ。それから、長女はお絵かきが好きで絵の具を使ったりもするのだが、絵の具がかなりなくなってきたので絵の具も何か適当なものを買うことにした。
 実は私は長女とふたりで買い物に出かけたのは初めてであった。長女が選んだ服を購入し、絵の具を選んでその後ひと休みのためレストランに入った。こういうのもナカナカいいものだ。
 長女にも気分転換になったと思うし、私にとっても心に残った。
 
 つまり何が言いたいかというと、次女と家内が病院にいる間に長女といままでにない強いコミュニケーションを持つことができた、ということである。さらに、家族みんながお互いのことを気遣い認め合っていたので、家族の結びつきも強まったように思う。
 次女の入院というのはソレ自体はマイナスのできごとだったのだが、別の面でプラスになったことも間違いなく存在する。これはこれで貴重なできごとであった、としておこう。

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